車売却書類ガイド

実印を押す!委任状、譲渡証

“車の売却に際しては実印が必要となります。この実印を押印するのが、委任状と譲渡証です。委任状とは本来所有者のみに許されている名義を変更する手続きを、任意の受任者に委託するための書類です。委任者の住所氏名と実印、手続きする車両を特定するための車体番号ないし登録番号、委任する行為(名義変更や廃車登録など)、受任者の住所氏名を記入してあれば手書きであってもかまいません。”

しかし、販売先が業者であるのならば先方が事前に白紙委任状を用意していますから、それに署名捺印すれば大丈夫です。もし個人売買の場合でも、いまは簡単にネット上からもテンプレートを取得できます。積極的に利用しましょう。譲渡証ですが、これは車の所有権をまさしく譲渡するための書類です。第21号様式という規定の様式がありますが、これに準ずる形式で書かれたものであればよしとされます。こちらもネット上で簡単に入手することができます。こちらが所有者の側であれば問題はありませんが、この譲渡証、道路運搬所車輌法第33条2項に基づき再発行はできないことになっています。再発行できないということは名義変更ができないということです。実際は再発行手続きを取ってくれる所有者がほとんどだとは思いますが、それほど重要な書類であることを意識しておいてください。この譲渡証に記載するべきことは、車名、型式、車台番号、原動機の形式、譲渡年月日、譲渡人の住所氏名です。最初の4つは車検証に記載があります。気を付けなければいけない点は、車名です。私たちが一般に車名といって思いつくのは「カローラ」「マーチ」などの車固有の販売名です。
しかし、車検証上の車名は多くの場合はいわゆるメーカー名となります。カローラならトヨタですし、マーチならばニッサンですね。譲渡証は厳格な書類なので、誤記があると陸運支局(あるいは軽自動車協会)で手続きができないこともしばしばです。それを嫌って、業者では白紙委任状、白紙譲渡証を求められることが多いです。いわゆる「こことここにハンコを押してね。あとはやっておくから」というパターンです。しかし、白紙で渡す委任状や譲渡証はどんな場合でも危険です。もし、あなたが車を二台所有していたとしたとします。A車の売却に際して渡した印鑑証明と白紙委任状と譲渡証を、もう一台のB車に勝手に使用することも事実上可能なのです。ほかでも述べてますように、車検証の再発行に必要な委任状のハンコは実印である必要はないですから、車検証自体は簡単に再発行できます。もちろん、多くの業者はまっとうに商売をしていますし、白紙委任状や譲渡証を渡しても、それ以外に使用することはまずないでしょう。しかし、使用できる車両を限定する意味でも、車台番号ないし登録ナンバーだけでも自分で記載するくらいの用心は必要です。