車売却書類ガイド

遺産の車を手続き

“車の売却にあたって、所有者の実印や印鑑証明が必要なことはご存じでしょう。しかし、それらが絶対に手に入らない場合があります。所有者が死亡してしまったときです。おおまかな流れでいうと、相続人が相続して名義を自分のものにかえ、それから自分の印鑑証明や実印を用意して売却することになります。まずは相続の手続きをする必要があります。まずは亡くなった方の確認をとるために、戸籍謄本およびに住民票の除票がかならず必要となります。”

そして、相続される車を廃車ないしナンバーを返納して一時的に利用しない状態にする場合をのぞき、新しい車庫証明が必要です(一部地域では車庫証明が不必要なこともあります)。それからは相続人の人数で必要な書類が異なります。
まずは相続人がひとりの場合。法定相続人が本当に単独の場合は問題ありませんが、遺言状などで単独相続する場合は、かならず遺言状(公正証書か家庭裁判所で検認済のもののみ)の提示も必要となります。そうでなければ、単独相続ではなく、複数相続の手続きをします。その説明はまた後ほどします。そのほかに亡くなった方と相続人の関係が証明できる戸籍謄本が必要です。同一戸籍の場合は問題ありませんが、婚姻などで除籍になっている場合は原戸籍謄本が必要となります。そして、新しい所有者となる人の印鑑証明や実印が必要です。相続人が複数の場合です。このときは全員分の遺産分割協議書が必要です。これは誰が相続するか(もしくは共有で相続するか)が記されており、全員の署名捺印(実印)があることで相続人の了承があったか確認をとるためのものです。
このほかに相続人全員分の印鑑証明、戸籍謄本(亡くなった方との確認がとれるもの。取れないなら原戸籍謄本が必要)が必要となります。こうして相続人が決まって相続が完了した車両は、晴れて他の車の売却の時に必要な書類(車検証、譲渡証、委任状、印鑑証明、自賠責証書、リサイクル券、納税証明書)をそろえて売却することができるのです。相続全般にもいえることですが、ここまで個人でやるのは大変面倒です。かといって行政書士に頼むとそれなりの報酬が必要です。車の売却を考えている場合は、買取業者に相談してみるといいでしょう。書類を揃える手間は省略できませんが、手続きは代行してやってくれます。この場合、手数料などはとらない業者がほとんどです。相続して車を使用する気がないのなら、積極的に相談してみましょう。